ニューノーマル時代におけるソーシャルリスニングの力

大手ブランドでは既に一般的となっているソーシャルリスニング。これはあらゆるブランドにとって有用で、これまでになくその重要性が増しています。パンデミックによって人々の日常生活や考え方は世界中で大きく変化しました。ニューノーマルへと照準を合わせ、それが消費者行動に与える影響を見極めることがブランドには求められています。

御社のブランドがニューノーマルを生き抜くために必要なソーシャルリスニングとは？ 3つのヒントをご紹介します。

1. 適切なトーン・オブ・ボイス。前例のない状況の中、ブランドは顧客に対しどのようなメッセージを発信するのか、難しい判断を迫られます。COVID-19によって、ほぼ全てのブランドのPR活動はある種の危機に面しました。しかしながら、一部のブランドは困難に対処し、パンデミックを機にブランディングを成功させています。では、御社のブランドにとっては何が最適な手法となるのでしょうか。広告を減らすのか、それとも人間性を表明して人道的な活動をアピールしてチャリティーを支援するのか。ポジティブなトーンを打ち出すのか、それとも共感に訴えるのか。ソーシャルリスニングは、ソーシャルモニタリングよりも広範囲で感情分析を行い、即時の対応が求められるネガティブなコメントやソーシャルノイズを素早く検出することを可能にします。ユーザーの感情は一瞬にして変化します。ソーシャルリスニングはマーケティング部門の迅速な意思決定をハードデータによってサポートします。

2. 新しいキーワード。ソーシャルリスニングは時代の先を読み、検索に関する戦略をシフトさせる上での助けとなります。これは不透明な時代において非常に有用な情報です。ソーシャルリスニングではデータを追跡・収集し、各国市場で使われるブランド名のバリエーションから製品の呼び名に至るまで、トップキーワードを特定します。フランスの調理器具メーカーであるグループセブは、パンデミックのさなかにソーシャルリスニングツールを導入しました。これによりオンライン上の新たなトレンドクラスタを特定し、それに応じたコンテンツ戦略を推進しています。急上昇しているキーワードは、「パン作り」「子どもと料理」「作りおき」。この数カ月間には「テレワーク」「リラックスパンツ」「自宅学習」といったキーワードも急上昇し、さらにインテリアやDIYといったセグメントの売り上げも伸びています。検索エンジン上での消費者の動向に注視していくことが、これまで以上に重要となります。

3. ローカライズの新戦略。パンデミックはさまざまな国に影響を及ぼしましたが、その状況は地域によって異なります。ローカライズ戦略を見直すことがこれまでになく重要になってきています。例えば、米国とヨーロッパを襲ったパンデミックの影響は、他の地域を大きく上回るものとなりました。米国の小売業界では、ピクニックやサイクリングといった暖かい季節のアウトドアアクティビティがマーケティングの主な焦点となりました。一方、中国では人々が長いロックダウンの埋め合わせをしようと「リベンジ消費」に転じています。こうした背景から、ソーシャルリスニングは多くのブランドが中国のようなローカル市場で成功するための秘密兵器となり、ソーシャルノイズの抑制、デイリーベースでのキャンペーン効果の評価、価格調整の効果測定を可能にします。支出の傾向を予測し、ソーシャルチャネルを最大限に活用するための鍵となるのが、ソーシャルリスニングです。

ニューノーマルのブランド戦略がハイリスク・ハイリターンとなることは否めません。細心の注意を払いながら、その一方で生産性と結果を求めるというバランスゲームの様相を呈しています。Amazonはコロナ禍の初期に、労働環境での保護対策労働環境における対策が不十分であるとして従業員がソーシャルメディア上で抗議したことにより、非難を受けました。この打撃の回復には、チャリティーへの寄付が貢献した一方、迅速な宅配サービスがこれまで以上に必要とされた状況の中で、Amazonが広範囲の配送システムを維持したことが最終的な後押しとなりました。御社のブランドにとって適切な戦略を練る方法とは、社会に耳を傾け、素早く行動することに他なりません。ソーシャルリスニングは絶えず変化する消費者の感情や行動を捉え、ブランドを成功へと導く武器となります。

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